都筑区放課後等デイサービス FORTUNA  運動が苦手なこどもたち④

こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。

 

運動が苦手な子どもの話から、感覚統合の話まで幅が拡がってきました。今回は四回目です。

 

ところで、話が飛んじゃいますが、皆さんは奈良の大仏を観に行かれたことはありますか?

行かれたことがある方はご存じだと思いますが、大仏さまの鼻の穴と同じ大きさの穴が大仏内の柱に開いています。

 

穴の大きさは、大体高さ30cm、幅37cm、長さ120cmで大人の人でも小柄な方なら通ることが可能です。

 

私も幼い時に大仏を見物に行きましたが、見物にきた人たち(私も含めて子どもたちは)楽しそうに穴をくぐっていたのを覚えています。

 

なぜ、大仏の鼻の穴の話をしたのかというと、これがボディイメージを育むために必要な要素が含まれている話だからです。

 

狭い空間をくぐるには視覚からの情報と身体の大きさや手足の位置関係などを適切にイメージして、体性感覚をミックスしなければなりません。また身体の位置関係を適切に把握するために、空間認識能力が必要となるのです。

 

子どもの中には自分の身体の大きさなどがイメージできず、どう考えても無理なのに無謀な挑戦をしようとする(大人)人もいますが、大抵の人は諦めますよね。

それがボディイメージと考えてください。

 

運動が苦手な子どものなかには、人間の感覚の中での固有受容覚や前庭覚に刺激が入りにくく、ボディイメージが掴みにくい子どももいるのです。(以前に書きましたが、前庭覚の働きとしては、他に覚醒の調整、抗重力による姿勢保持、バランス能力、眼球運動などがあります)

 

前庭覚は、身体がどこまで、どんな風に動くのかを把握するために必要な感覚なのです。だから、そういった子どもたちには、ジャングルジムで遊ぶのが良いといわれています。

ジャングルジムでの活動を考えてみてもらうとわかるかと思います。

 

ジャングルジム内を登ったり、移動したりするためには、手や足の感覚をいろいろミックスさせ、その上で視覚を用いてどこに次の足や手をもっていくか考える必要があります。(当然、足や手がかかっていないと移動出来ません)また、しっかりと鉄棒を握らなければ、足がかからなければ落ちてしまいます。このしっかり握るという動作が固有受容覚を刺激し、握るための力加減や持久力を養っていくのです。

また、ジャングルジムの中は迷路のようになっていることもあり、鬼ごっこをした場合、素早い動きが必要で鉄棒をくぐったり、登ったりして鬼から逃げなくてはなりません。ジャングルジム内の狭い空間を素早くくぐる場合、視覚からの情報と、身体の大きさや手足の位置関係などを適切にイメージして、体性感覚をミックスさせないとならないからです。

 

私も子どものときよく遊んだのを覚えています。友だちに追いかけられ、通れると勝手に判断し、おもいっきり頭や顔面を鉄の棒にぶつけたり、鉄の棒をくぐるときの屈み方が悪く背中や腰をおもいっきり打ち付けたり、ジャングルジムの上から落ちたりと怪我ばかりしていました。

 

ここには運動能力向上に必要なコーディネーション能力も含まれていることもおわかり頂けると思います。(コーディネーション能力も以前お話しいたしました)

 

これら色々な感覚情報を頭の中で整理整頓しながら遊べるというところに、ジャングルジムの利点があります。遊びながら徐々に感覚を整理整頓できる術を習得できるので、身体の使い方がわからない子や、上手く出来ない子、感覚がわからない子どもでも自然と身についていくと考えられています。

すなわち感覚統合を行いながら、コーディネーション能力も向上していくことになるので、運動能力も向上していくと考えることができます。

 

しかし、家庭にジャングルジムを作ることはなかなか難しいと思います。そうしたときに遊具がある公園に友だちといってジャングルジム遊びをすれば集団での活動となり、子どもたちの中でいろいろルールを決めて遊ぶことになります。すなわちそれはSSTの練習にもなると私は考えています。

 

次回はボールを使うことによる感覚統合で運動の苦手感の克服を考えてみましょう。

 

<続く>

 

放課後等デイサービスFORTUNA